Vol.001 デニムとは?素材・特徴・作り方をメーカーが解説
デニムとは?素材・特徴・作り方をメーカーが解説
デニム生地メーカーのカイハラが、
デニムのことをわかりやすく解説します!
「デニムって、そもそも何?」
「ジーンズとは何が違うの?」
身近な存在なのに、意外と知らないデニムの基本。
今回は、デニム生地をつくるメーカーだからこそお伝えできる、
素材や特徴、ものづくりについて、わかりやすくご紹介します。
CONTENTS
このコラムでわかること
■ デニムって結局なに?
■ デニムとジーンズの違いとは?
■ なぜデニムは「青くて、表と裏が違って、丈夫」なのか
■ カイハラのデニムには、こんな種類があります
■ カイハラのデニムは、「色落ち」にこだわっている
■ 私にとって、良いデニムとは VOL.01
◆デニムって、結局なに?◆
ひとことで言うと、デニムとは「綿を使って織り上げた、丈夫な生地」です。
一般的に多いのは【綾織り(あやおり)】という織り方でつくられた、厚みのある綿の織物。
表面に見える特徴的な「斜めの線」も、この綾織りによって生まれます。
デニムには長い歴史があり、古くには麻(リネン)が使われたものもありますが、現在は綿が主役です。 特に綿100%のデニムは、しっかりとした手触りと、使い込むほどに色や風合いが変化する 「経年変化(色落ち)」が大きな魅力です。
最初は硬く感じる生地が、着用や洗濯を重ねるうちに身体になじみ、 色も一枚一枚違った表情へと変わっていき、こうした「育てる楽しさ」も、 デニムが長く愛される理由のひとつです。
◆デニムとジーンズの違いとは?◆
「デニム」と「ジーンズ」。普段は同じような意味で使うことも多いですが、 実はこの2つ、指しているものが違います。簡単にいうと、
- デニム=生地
- ジーンズ=製品
つまり、デニムは「布」のこと。 一方、ジーンズは、そのデニム生地などを使ってつくられた「製品」のことを指します。
普段何気なく使っている言葉ですが、こうして違いを知ると、少しおもしろく感じませんか?
「デニム」は素材、「ジーンズ」は製品。
まずは、この違いを覚えておけば、デニムの世界が少し身近になるかもしれません。
◆なぜデニムは「青くて、表と裏が違って、丈夫」なのか◆
デニムといえば、「青い」「表と裏で色が違う」「丈夫」というイメージがあります。 実は、この3つの特徴には、糸・染料・織り方それぞれの秘密があります。
◎「青い」のは、インディゴの性質によるもの◎
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TECHNICAL COMMENT
カイハラ産業(株)
開発課 Wさん |
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では、なぜデニムは青く見えるのでしょうか。 その理由は、染料である「インディゴ(藍)」の性質にあります。
インディゴは、光の一部を吸収する性質を持っています。 デニムに光が当たると、特定の光が吸収され、残った青い光が目に届くことで、 私たちはデニムを「青い」と感じます。
つまり、デニムの青は、単純に「青い染料で染めている」だけではありません。 光とインディゴの分子の働きによって生まれる色なのです。
◎「表と裏で色が違う」◎
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TECHNICAL COMMENT
カイハラ産業(株)
開発課 Wさん |
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「表側は青いのに、裏側は白っぽい」。 この独特のコントラストは、デニムならではのもの。 実は、生地を織る前の「糸の段階」からデニムの表情はつくられているのです。
デニムは、経糸(たていと)をインディゴで染め、緯糸(よこいと)は白いまま織り上げるのが基本です。 そのため、表側は染めた経糸が多く見えて濃い青に、 裏側は白い緯糸が多く見えて白っぽくなります。
◎「丈夫」なのは、織り方と糸に理由があります◎
綾織りは、糸を斜めに交差させる織り方です。 糸がしっかりと組み合わさり、さらに太い糸を高い密度で織ることで、 摩擦に強く丈夫な生地になります。 この積み重ねが、デニムの強さにつながっています。
◆カイハラのデニムには、こんな種類があります◆
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TECHNICAL COMMENT
カイハラ産業(株)
開発課 Sさん |
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ひとことで「デニム」といっても、その種類はたくさんありますよ。 織り方や使う織機、ストレッチ性、染め方によって、生地の表情や風合い、色落ちの仕方まで変わるんです。 「デニム=綿100%」と思われがちですが、現在では、ポリウレタンを混ぜてストレッチ性を持たせたり、ポリエステルを組み合わせて機能性を高めたりと、さまざまな素材のデニムがつくられています。
でも、綿100%のベーシックなデニムを、高品質を維持しながらつくり続けることも簡単じゃないんです。 シンプルなものほど、ごまかしがきかないからこそ、 カイハラでは、「綿100%のベーシックデニム」つくりを大切にしています。
◎セルビッジ(赤耳)デニム◎
「セルビッジ」は生地の端にできる「ほつれ止め」の部分のことで、特に赤いラインが入ったものは「赤耳」と呼ばれています。
セルビッジデニムは、昔ながらの「シャトル織機」を使って、生地を織っていきます。 現代の高速に織れる織機のように生地をつくっていくのではなく、ゆっくり、じっくり織り上げていく織機です。 シャトル織機ならではの独特な風合いや、表情のある生地に仕上がります。 しっかりとした密度のある生地感も、昔ながらのつくりだからこそ生まれる味わいも、セルビッジデニムの魅力のひとつだと思います。
◎広幅デニム◎
現在のデニムづくりで主流となっているのが、「広幅デニム」です。 「広幅」と聞くと、セルビッジデニムのような"耳"はないと思われるかもしれません。 でも、実は広幅デニムにも「耳」があるものがあるんです。 プロジェクタイル織機を使って、織りあげているデニム生地は耳があり、「タックイン耳」と言います。 広幅デニムは、セルビッジデニムよりも幅広の生地を高速で効率よくたくさん織り上げることができるので、 現在流通している多くのジーンズや衣料品に使われていますよ。
「耳を見れば、織り方が見えてくる」
セルビッジとタックイン耳は、 どちらが優れているというものではありません。
セルビッジには、昔ながらの製織方法が生み出す独特の表情やストーリーがあります。 一方、タックイン耳を持つ広幅デニムには、 安定した品質、高い生産性、生地を効率よく使用できるという利点があります。
同じ「デニムの耳」でも、その形には使われた織機と製造技術の違いが表れています。 普段は裁断によって見えなくなることも多い小さな部分ですが、 デニムの耳は、その生地がどのように織られたのかを伝える 「ものづくりの痕跡」なのです。
◆カイハラのデニムは、「色落ち」にこだわっている◆
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TECHNICAL COMMENT
カイハラ産業(株)
技術課 Mさん |
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デニムの楽しみといえば、やはり色落ちではないでしょうか。 履き込んでいくうちに少しずつ色が変わり、一枚一枚違った表情が生まれます。 その色落ちには「染め方」が大きく関係しています。 カイハラの糸は、中心部には染まりきらない白い部分、いわゆる「白芯(シンジロ)」に拘っています。 デニムを長く使うことで表面のインディゴが少しずつ削れていくと、その白芯が顔を出します。 青い部分と白い部分のコントラストがでて、メリハリのある色落ちがカイハラのデニムの特徴ですね。
MY DENIM NOTE
VOL.01
VOICES
私にとって、良いデニムとは
カイハラ産業(株) マーケット企画室
Mさん
「この先、どんなふうに育つのだろう」と期待できるデニムです。 私はリジッドデニムを穿くことが多いので、選ぶときはインディゴの色の深さや、 生地のハリとコシ、ムラの強弱や現れ方をよく見ます。 そこから、どんな色落ちをするのか、何年くらい穿き続けられるのかを想像します。 買ったときが完成ではなく、穿く人と一緒に変化していく、 すぐに答えは出ませんが、その時間まで楽しみにできるものが、 私にとっての良いデニムです。
― カイハラ株式会社 ―