SNS
KAIHARA STORY
カイハラストーリー
CHAPTER 01

時代の荒波を乗り越えて
作り続けた伝統の絣

カイハラが本社と工場を構える広島県・福山市は、古くから備後絣の産地として栄えました。カイハラもまた手織正藍染絣を製造する機屋として1893年に創業。創業者は絣の製造技術を学んだ貝原助治郎で、当初は「マルス」という商標を掲げていました。当時は日清・日露戦争の真っ只中で、困窮した時代でしたが、業績は順調に伸び、創業から10年で社員30人を抱え、年間5000反の絣を製造するまでに成長しました。1920年には助治郎の息子、覚が家督を継ぎ、事業の拡大を目指します。
しかし、1941年に太平洋戦争が勃発。糸の配給がストップし、経営危機を迎えます。バンコック帽や軍用カズラ縄の生産に切り換え、危機を乗り切ったものの、終戦後には絣の需要が落ち込み、経営は困難を極めます。全盛期には300台ほどの織機が稼働していましたが、34台まで激減してしまいました。

CHAPTER 02

人に喜ばれる本当に
良いものづくり

存続の危機に際して奮起したのが、3代目となる貝原定治でした。定治は「着る人の立場になり、本当に良い製品を全身全霊で作ろうじゃないか」と社員に意気込みを伝えます。そして、社員が一丸となって研究を重ね、1956年に洋服用広幅絣の製造に成功します。苦心の末に完成した28インチ(71cm)の広幅絣は多くの企業から絶賛され、「広島の片田舎で、こんなにすごい製品を生み出す会社があるのか」と大きな注目を浴びました。
その後、大日本紡績と手を組み、広幅絣の量産を開始。さらに、世界初の36インチ幅のコニイ絣を製造するという日本の服飾史に残る快挙を成し遂げました。1960年には、イスラム教徒が着用するサロンという衣料の生産と輸出を開始し、中近東の人々から最高級品として高い評価を受けることになります。一時は危機を迎えたカイハラでしたが、定治の努力により苦境を乗り切ることができました。

CHAPTER 03

絣の知識と技術を
受け継ぎながら
デニムに
活路を見出す

カイハラは順調に業績を回復していましたが、1967年にまたしても危機に直面します。主要輸出先であった中東の都市アデンからイギリス軍が撤退することになり、ポンドの価値が急落したのです。それにより、サロンの輸出が激減し、収益が1/3にまで落ち込みます。社員数も半分にまで減り、苦悩していた定治でしたが、ここで大きな転機となる提案がもたらされます。機織り会社や衣料品メーカーが、絣で培った技術を応用してデニム生地を作って欲しいと依頼されたのです。当時はベトナム戦争に対する反戦運動が盛り上がり、平和の象徴として世界中の若者たちがジーンズを履くようになっていました。同じ頃、日本初のジーンズブランドも誕生しており、今後のデニム需要の高まりが予測されていたのです。定治は絣製造からデニム生地製造へと事業を大きく転換することを決意。デニムファクトリーへの道を歩み始めます。

CHAPTER 04

日本初のロープ染色機を
完成させ、
国内生産が可能に

デニム生地製造へと舵を切ったカイハラですが、早くも困難に直面しました。絣の製造では、糸を芯まで染める綛染(かせぞめ)という手法を用いていたのですが、それではデニム特有の色落ちが生まれなかったのです。アメリカでは糸をロープのように束ねて染色しているという情報を得た定治は、独自に開発していた“液中絞り”という絣製造の技術を応用し、ロープ染色機の開発に挑戦します。そして、7ヶ月をかけて1970年に日本初のロープ染色機が完成。本格的なデニム生地製造の足がかりを築きます。
それからまもなく生地メーカーや紡績会社からオーダーが殺到。翌年にはジーンズ約30万本分もの発注が寄せられます。さらに、1973年にリーバイス社からオーダーを受けたことを機に、デニム生地メーカーとして世界から注目を集めることとなります。

CHAPTER 05

温故創新のものづくりで
真のグローバルカンパニーへ

ロープ染色の成功により国産デニム生地製造の幕を開けたカイハラは、その後もさらなる発展を目指します。1978年には織布、1980年には整理加工、1991年には紡績の設備を完成させてデニム生地製造のすべての工程を手がける国内初の一貫生産体制を確立しました。当初は他の工程への参入は無謀だと言われていましたが、良質なデニム生地を作るためには必要なことだったのです。
現在、カイハラは福山市に4つの生産拠点を構えるほか、タイにも工場を新設して国産と同等のクオリティのデニム生地を製造しています。国内シェアは約50%、輸出先は約30カ国にのぼります。かつて絣で培った技術をデニム作りに生かしたように、最新鋭の機器を積極的に導入しつつ旧式のシャトル織機を駆使するなど、新旧の技術を融合させたものづくりをおこなえることがカイハラの強み。その伝統と革新の精神を受け継ぎながら、カイハラはグローバルカンパニーを目指します。

CHAPTER