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デニムの移染も気にしない酒脱な車好き

一目でわかる、あのキャラクターの生みの親。イラストレーター SHU-THANG GRAFIXこと浦野周平さんは生粋のクルマ好き。人とは違うクルマ選びの視点や「汚れを綺麗にする過程を楽しむ」独特のこだわりなど、そのユニークな個性は作品にも現れています。

ー 浦野さんがクルマ好きになったキッカケを教えてください。

父親が編集者だったこともあり、いわゆる普通の家庭とは趣味嗜好が少し違ったように思います。そんな父も『カーグラフィック』を創刊から集めるくらいのクルマ好きでした。結局は遺伝でしょうか。その甲斐あってか、人生初の自分で購入したクルマは、89年式の赤いシトロエンBXです。ハイドロシトロエンのあの独特の乗り心地もさることながら、見た目のデザインに一目惚れしました。当時は実家のクルマもシトロエンXmやエグザンティアいう90年代のハイドロモデル、後に自分もXmを所有しましたが、その頃はシトロエンの虜でしたね。内装のシートはタン(淡い茶色)レザーで、なんとなく「フランスの要人が乗るクルマ」という雰囲気を設定しようと思って、ゼロハリバートンのアルミ製アタッシュケースとステッキ、そして吸えないけど葉巻をリアシートやアームレストに忍ばせていました(笑)。

ー 現在の愛車、レンジローバーを選んだポイントは?

シトロエンBX、Xmの2台持ちを1台にまとめようと思い購入したのがコレです。このレンジローバーは2006年式なので、モデルでいうと第3世代です。エンジンがBMW製からジャガー製に変わった過渡期のモデルです。お気に入りのポイントはいくつかありますが、強いて挙げるならこれだけ大きな車体で高級車のはずなのにメッキパーツを使っていないところや品の良い風格。そして、トロ~ンと走る柔らかな乗り心地ですね。オドメーターは既に約14万キロになっていますが、些細なトラブル以外はほとんど手のかからないクルマです。

ー このクルマのシートもタンレザーです。

年式や内外装など、この仕様をわざわざ探しました。タンレザーを選んだ理由でもありますが、僕の中ではブラックなどの、いわゆる汚れが目立たない内装色を最初から選ぶという意識がなかったんです。シトロエンXmも同じくタンシートでしたが、あえてブルージーンズを穿いたときの移染や経年の汚れを気にすることなく、むしろそれを綺麗にする楽しみも僕の中ではあったんです。そもそもが汚れたっていうことは、僕の中では車に乗ったという感覚なので(笑)。あと、掃除好きの性分なんです。

ー ガラス越しに見えるガレージもアトリエも綺麗ですね。

この建物は自宅兼アトリエになっています。このガレージもこだわって作りました。仕事をしながら愛車を眺めることができるのがとにかく幸せです。室内空間にポンっとクルマが置かれてる光景が好きで、美術館などもそうですが本来、外にあるものが部屋の中にあるというドキドキ感がたまらないです。そして古いものを現行品のようにピカピカにするという行為もたまらなく好きなんです。当たり前の話ですが新車はピカピカで当然、中古車は汚い状態だから、そこからピカピカに仕上げるというアップデートの感覚が楽しくって(笑)。ここにある80年代のキャノンデールの自転車も、僕の手元に来たときはボロボロの状態でしたが、そこから自分で手を加えて綺麗に仕上げました。

ー 浦野さんの中で「デニムを穿く瞬間」とは?

子供が生まれてから、このレンジローバーでキャンプに出かけることも多くなりました。焚き火のときは燃えにくいタフな素材ということで、いつもジーンズと決めています。寒いときはデニムの上からダウンなどの防寒着を着たりと、僕の中ではデニム=キャンプ着でもあります。もちろん、普段もデニムを愛用しています。カイハラさんのお名前も、ずっと知っていましたよ。

PROFILE
SHU-THANG GRAFIX 浦野周平
イラストレーター / グラフィックデザイナー

1976年東京生まれ。ぺジェ曲線を用いたデジタル描画ながら、アナログ感のあるテイストをベースとしたイラストレーションを描く。その他、CDジャケットやロゴデザイン等。媒体を選ばず手がける。株式会社Snail主宰。

HP:https://www.shu-thang.com

Instagram:@shuthang

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