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ジーンズしか穿かないレジンキットの狂人

趣味の領域が超えると“オタク”と呼ばれ、こだわりの領域が超えると“狂人”と揶揄される。「一年中ジーンズしか穿かない」というポリシーもまた、オタク気質の表れかエディトリアルデザインや動画制作を行う瀧上徳和さんの裏の顔は、キット工作のモデラー兼デザイナーだ。専門誌やメディアで連載を持つほどの知見と度を超えたクオリティのこだわり作品、そこに秘めたストーリーや創意工夫をインタビューで語っていただきました。

キットに含まれていないものは造作する

30年以上かけて蒐集した数百個の積みプラ(未組立キット)や完成した模型が目を見張る瀧上氏のコレクションハウス。特にお気に入りは映画『ブレードランナー』に登場するパトロールカーのポリススピナー。これはレジンキットと呼ばれる、既製品に飽きたらず自身の造形的ニーズやクオリティにこだわるマニアたちが自分自身で造りあげた原型を元に型取りしてレジンキャストで生産する手作り模型。ちなみに一般的なプラモデルは、組立説明書が付属するため工作も容易だが、こちらは説明書が存在しないためイメージとアイデアで組み上げるのが特徴だ。「インテリアにも電装を施していますが、光を漏らさないように中でカバーする仕組みを自作したり、そこが一番大変だったかな。本来は開閉しないドアも自作のヒンジを装着しています。他にも飛行モードから走行モードに変換できたり、より精巧なゴムタイヤに交換したり。この組み合わせは世界中でも僕だけでしょう」

本家ディズニーも圧巻の総額300万円自作ドロイド

映画『スター・ウォーズ』に登場するエスケープ・ポッドは砂漠のベースに設置した。「制作期間は約3ヶ月。そもそも映画では一部分しか映らないから、勝手なイメージで全体を工作しました。欲しいパーツは基本自作か既製キットのパーツを拝借したり。フィギュアはバンダイ製のキットです。実際の劇中ではこんなシーンは存在しませんが、個人的に二人がここに居たら素敵だと思って、砂漠にぶっ刺しました(笑)」。等身大のR2-D2は、配線から作動システムまで全てが自作。かかった製作費は300万円を超えた。「12Vのバイク用バッテリーを2個積んでます。日本のバッテリーはサイズが不一致なので、わざわざアメリカからバッテリーを取り寄せました。どれも日本では手に入らないパーツなので海外購入です。スター・ウォーズ・デラックスの番組にゲストで呼ばれて特集されたりと反響は凄かったですね。実はそこまで『スター・ウォーズ』好きではありませんが(笑)」

アートに匹敵する緻密な模型作品

子供の頃は漫画家を夢見た瀧上さん。昔も今も漫画や映画に登場する乗り物やプロップにはとにかく目が無いそう。「20年前に作ったバットモービルは、ストーリー的にリンカーン・フューチュラと並べて撮りましょう。ホワイトメタルとレジンのキットはコレ以外は見たことがないですね。『ゴーストバスターズ』の原子炉で動く兵器プロトンパックも今では似たようなキットが発売されていますが、当時はこのレベルのものを誰も作らなかったです。ゴーストトラップもそう。一からサイズを測って東急ハンズで木材を購入してすべて自作。フットペダルを踏むと作動するし電飾もヤバいでしょ!」。そんな瀧上さんがずっと探し続けているものは子供の頃から好きだった漫画に登場する探検車だ。「喉から手が出るほど探しているのは『恐竜探険隊ボーンフリー』の2号機です。フロント部分(1号機)は持ってるけど、連結する後ろの部分(2号機)は、まず市場に出てこないですね」

PROFILE
瀧上 徳和
グラフィックデザイナー/アートディレクター

グラフィックデザインの企画、制作を中心に映像企画、制作などを行うデザイン事務所『mph』(Maximum Performance+High speed)を主宰。自動車やホビー系メディアでも連載、デザインを手がける趣味人。

HP:mph-speed.com

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