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代官山BARBER BOYSオーナー兼プレイヤーの樅山敦による連載企画

BARBER BOYSのオーナーでヘアメイクもされる樅山さんによる連載企画、「映画とデニム」。映画やファッションにも造詣が深く、デニムの魅力が存分に味わえる映画をコラムと共に紹介します。

Paris,Texas/ヴィム・ヴェンダース監督作品/1984年公開

デニムはいつも優しい

『1985年、当時は理解できない映画だったけど、今になって観たら少しだけ理解できた。トラヴィスというおっさんが若い妻に勝手に嫉妬して、自ら家庭を崩壊させ失踪、テキサス州の町パリという荒野に、通販で買った土地を求め、さまよう..。大人になれないおっさんが自分探しの旅に出て、身内にすご〜く迷惑をかけるロードムービー。監督のヴェンダースも、この映画を撮った時点で4回結婚離婚を繰り返している。こりゃ〜実体験がモデルの作品だね。ディスってないよ、愛情よ。監督は、ヒーローが突然帰ってきて悪人を懲らしめ、また何処かに行ってしまう西部劇の大ファン。だ・か・らテキサスの荒野が舞台なの。アメリカにすご〜く憧れたドイツ人なんだ。ちなみに、山田洋次監督の寅さんも西部劇をヒントに作られた映画。失踪しちゃ〜帰って来るアダルトチルドレンでピュアな男の物語。こういう人が身内にいると大変だと思うけど、映画にはしやすいね。男のロマンってヤツだから、ねぇ〜寅さん。話が外れまして失礼しました。トラヴィスは荒野のガソリンスタンド で気を失い倒れてしまう。連絡を受けたロサンゼルスにいる弟がテキサスまで兄貴を迎えに行く。正直言ってめちゃくちゃ遠いよ〜、メキシコとの国境なんだから。4年ぶりに会った兄貴は記憶も言葉さえも失った汚〜いおっさんになっていた。見かねた弟はとりあえずモーテルに宿を取り、町へ買い出し。そこで買ったのが普通のデニム とGジャン。シャワーを浴び、髭を剃り、こざっぱりしたトラヴィスがバリっと硬いデニムを穿き、Gジャンに袖を通すと、これがカッコいいの。普通でいいの。奇をてらったり背伸びしちゃダメなの。デニムは等身大で現れて欲しい。等身大で受け止めるからね。それから少しづつ喋り出すの。デニムの力だね。普通のデニムっていつも優しいね。カウボーイブーツがなじむね。荒野ってそそるね。ん〜いい感じ、いい感じ。ぜひ今宵はパリ、テキサス。』

番外編 〜Spotify〜オレのサントラ「Paris,Texas」

映画のみならず、音楽にも詳しい樅山さん。ここからは番外編、『オレのサントラ「Paris,Texas」』と題した、同映画の世界観を踏襲した10曲をセレクト。ぜひ、お聴きください。

PROFILE
樅山敦

福島県いわき市出身。1980年代後期からヘア&メイクアップアーティストとしての活動をスタート。広告からファッション誌、俳優やミュージシャンまで幅広いジャンルで活躍。代官山の理髪店『BARBER BOYS』オーナー兼プレイヤー。また、男性整髪料ブランド『CHET』ディレクターも務める。

HP : barberboys.jp

Instagram:@barberboysdaikanyama 

HP:chet55.com

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