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カフェ文化を守り続けるメゾン・ガッティ

「あらゆる新しいものに対する最良の教養の場所はつねにカフェにあった」とは、かの有名作家の名文。フランス人が築き上げた暮らしの芸術にあたるカフェ文化を支えてきたのは、人や食事だけではない。1920年にフランス・パリで創業した籐を編み上げた椅子やテーブルを作り続ける名門メゾン・ガッティもそのひとつ。独創的なデザインや配色、それを手作業で組み上げる熟練工は、今も昔も変わらずカフェ文化を守り続けています。

3世代に渡って継承されるメイドトゥオーダー家具

パリならではの軒を連ねたオープンカフェやビストロ。そこで目にする籐を編み上げた椅子やテーブルたち。かつては多くのメーカーや職人が存在し凌ぎを削ってきたが、現存する職人はごく僅か。そんな今日でも変わらぬ製法で世に送り続けるのがフランス・パリで1920年に創業したメゾン・ガッティだ。私たちは莫大な種類の色物の紐を編んで作る、籐製の家具作りに精通しています。この主原料はヒマシ油誘導体のリルサンを使用しています。そして、この特殊な技術は創設以来、三世代に渡って代々職人に継承しています。椅子、アームチェア、スツール、ベンチ、プランター、ゲリドンテーブル、ヘッドボード、ナイトテーブルはすべて組み立てから編み、最終のカタチにするまで伝統的な手法で美しく、そして堅牢に仕上げています。私たちは一切、機械を使うことなく、すべての家具はメイドトゥオーダーで職人により手作りされています」

レストランやホテル、そしてラルフローレンにも

ここ日本でも、本格的なパリの雰囲気をイメージしたカフェやレストランではたびたび目にする籐製の椅子やベンチ。背面下に施された銅色のネームプレートを見ると、やはり“MAISON-J.GATTI”の文字を見かけることが多い。基本的には既製品のストック設定ではなく、オーダーする人の好みでひとつひとつのカラーリングが決まるため、つまり見かけるそれはすべてが1点モノ。故にオーダーする者のセンスやユーモアが顕著に表れるのも特筆に値する。「主な卸先は世界各地のカフェをはじめとするレストランやホテルです。これまであまりご縁がなかったのでファッションブランドとコラボレーションするようなことはありませんでしたが、過去に日本からは東京・原宿のラルフローレン店舗で使用する什器用にオーダーをいただきました。日本の文化は魅力的ですが、残念ながらあまり詳しくはないです」

フランス人にとって日々の生活は芸術

 現存するパリで最古のカフェ『ル・プロコープ』は当初、一般市民の憩いの場というよりは貴族や芸術家たちの社交場として広まったといわれている。ワインではなく当時ヨーロッパで広まりつつあったコーヒーを提供する目新しさもあって、カフェの登場は人々から注目を集めた。だから、ファッションの文脈でカフェを語るときには、決まってパリを思い浮かべるだろう。ジーンズやサングラス、タバコ、籐製の椅子など……。それほどまでにシンボリックなイメージを守り続けるメゾン・ガッティの椅子は、パリの重要文化財といっても過言ではない。パリのカフェ文化は我々の歴史を語るうえでは欠かせない、不動のものであり美しい遺産です。人と人が一緒の時を過ごすのに大切な場所であり、“it is part of the French art de vivre” = それはアール・ド・ヴィーヴル(生活は芸術)、フランス人にとっては暮らしの芸術にあたるものです」

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Maison Gatti
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