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代官山BARBER BOYSオーナー兼プレイヤーの樅山敦による連載企画

BARBER BOYSのオーナーでヘアメイクもされる樅山さんによる連載企画、「映画とデニム」。映画やファッションにも造詣が深く、デニムの魅力が存分に味わえる映画をコラムと共に紹介します。

メイキング・オブ・モータウン/ベンジャミン・ターナー、ゲイブ・ターナー監督作品/ 2019年公開

マービン・ゲイの鍛え上げられた身体にデニムと赤のニットキャップが粋

50年代のデトロイトは自動車工場の街、いわゆるモーター・タウン、縮めてモータウン、へへへヘ、偉そうだな、オレ、ゴメン。ベリー・ゴーディー社長は青年期にフォード車の工場で働き、組立てラインをみて「人でもやれる」って思ったらしいよ。歌手の個性を作る仕組みを、プロデュース、作曲、ダンスと各工程を回ってスターを作る。こりゃ~立派な変態だわ!あっ、社長、変態は褒め言葉ですよ~。たぁ~だ働いてりゃ、それまでで、同じことの繰り返し人生。社長は刺激を求める派、何か得るものがあれば頂いちゃう人、起業家の性質だよ。

59年レコード会社、モータウンを設立。理念にすえたのが ” 発掘、契約、養成 ” ビジネスモデルは ” 車の組立てライン ” 。出来上がった新車が、スティーヴィ・ワンダー、ダイアナ・ロス&ザ・スプリームス、ジャクソン5、テンプテーションズ…ってスゲ~な!圧倒的!多分だけど、ジャニーズ事務所ってモータウンを模して、スターを作ってきた会社だとオレは思う。90年代にジャニーさんと名刺交換するタイミングがあって、ギンギンな若者だったオレは「スターを選ぶ基準は?」って質問しちゃった、ヒヒヒヒ、そしてジャニーさんが「影のある人」とささやき、その場から泳ぐように去って行った。そん時のオレは???でも後々思ったのは、光が当たれば影が出来る、影があるから奥行きが出る、スターの魅力とは光と影、背負ってる物が違うのよ。ジャニーさん、深いお言葉、ありがとうございました。

背負ってる物が産まれた時から違う、黒人側の白人搾取がモータウン。だってビートルズが入ってきちゃったから、アメリカに。64年のヒットチャート1位~5位は全部ビートルズ、そりゃ音作りに影響するよね。リバプールのビート感に縦ハネの躍動感を足したダンス・ミュージックを作り、ダイアナ・ロスに歌わせたら、コレが売れたねー、出す曲全部No.1、ビートルズを喰っちゃった!しかしこの頃のダイアナさんは見た目怖いねぇ~、ガリガリで目だけが大きくて、ダンスなんか蛮族の踊りみたいで、ヒヒヒヒ、危険人物感ハンパないって、ゴメンなさい、大ファンです。69年には史上最強の兄弟グループ ” ジャクソン5 ” がデビュー。物怖じなく歌う当時11歳のマイケル・ジャクソン、その後ショービス界の奇跡と悲劇の象徴と化すのは周知の通り。スターは大変なのよって、お前が言うなバカ、へへへへ。

71年に「What’s Going On」を発表したマービン・ゲイ。華麗で美しい楽曲に反戦、公害、貧困といった社会問題を取り上げた歌詞を乗せて、赤裸々に表現した。荒れた時代の歌は今聴いても痛烈に響く。Netflixに落ちてるから、チェックしてね!だけど社長の戦略は ” 商業路線で政治は扱わない ” 、彼が育て会社を発展させたアーティストたちが枠を超えて主張し始めた。世界1の製造ラインだと思っていたけど、人は車じゃないんだね、社長。この頃のマービン先輩は粋だねぇー。鍛え上げられた身体にインディゴのデニム、赤いニットキャップにデニムのウエスタンシャツはボタン全開、ひげズラに爽やかな笑顔が激ヤバ、オレ、即死です!オタクだけど鍛え上げてる人はカッコいい!彼もそうだし、マイルス・デイヴィス、安藤忠雄もオタクだけどボクサー、こういう方々に近づこうと、オレも日夜鍛えてるの、ヒヒヒヒ。

番外編 〜Spotify〜オレのサントラ「メイキング・オブ・モータウン

映画のみならず、音楽にも詳しい樅山さん。ここからは番外編、『オレのサントラ「メイキング・オブ・モータウン」』と題した、モータウンの隠れた名曲をセレクトしました。ぜひ、お聴きください。

PROFILE
樅山敦

福島県いわき市出身。1980年代後期からヘア&メイクアップアーティストとしての活動をスタート。広告からファッション誌、俳優やミュージシャンまで幅広いジャンルで活躍。代官山の理髪店『BARBER BOYS』オーナー兼プレイヤー。また、男性整髪料ブランド『CHET』ディレクターも務める。

HP : barberboys.jp

Instagram:@barberboysdaikanyama 

HP:chet55.com

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