代官山BARBER BOYSオーナー兼プレイヤーの樅山敦による連載企画
BARBER BOYSのオーナーでヘアメイクもされる樅山さんによる連載企画、「映画とデニム」。映画やファッションにも造詣が深く、デニムの魅力が存分に味わえる映画をコラムと共に紹介します。
グリーンフィンガーズ/ジョエル・ハーシュマン監督作品/2001年公開





自転車で花を配達するシーンなんてベストジーニスト賞を取ってもおかしくない
「ワルが、園芸を。」これ実話だからね!イギリスのコッツウォルズ、国から自然美観地域に指定されてるところ、童話の200〜300本はここから生まれたんだろうな〜ってぐらい美しい村々。そこにあるエッジフィールド刑務所の囚人たちがガーデニングに開花、女王陛下から称賛されるまでの腕前と美意識に成長するのよ。やっぱり環境が人間を作るんだね。道理と技芸の冴えが奥深く、優れている文化だよ。女王陛下もお気に入りのサッカー、ロック、園芸がイギリスを作ってるのよ。確かに、ポール・ウェラーの「WILD WOOD」ってアルバムのジャケ写で、ポールさん個人所有スタジオの庭がめちゃくちゃ広くて綺麗。そこでメンバーと子供たちがサッカーをやってるの。まさにイギリスを象徴する絵面だね。しかしまぁ、主役の武骨なコリンくん、素質があるもんだから、どんどんハマって行くのよ。オレ、高倉健さんにかぶって見えちゃったからねっ!栄養剤を差入れって呼んで、庭木や花1本1本に言葉をかけながら与えちゃってるから、こりゃ立派な変態です!ごめんね、コリンくん、変態はほめ言葉だからね。そうそう、健さんとかぶるくらいだからさぁ、まぁ〜コリンくんもデニムが似合うのよ!自転車に花を乗っけて配達するシーンなんてベストジーニスト賞を取ってもおかしくないぜってーの。囚人たちもサロペットデニム穿いちゃって、他人を傷つけ命を奪ってきた人間が、命を与え育てる真人間になって、美しい庭園作っちゃうんだから、たいしたもんだっつーの。刑務所もフランスはワインづくり、日本は日本酒づくりを取り入れるってどうかねぇ〜?デニム穿いて白ティー着て、カバーオールのボタン閉めて、1mmで高めのフェードヘアの杜氏さんは清潔感あってカッコイイんだって。
番外編 〜Spotify〜オレのサントラ「グリーンフィンガーズ」
映画のみならず、音楽にも詳しい樅山さん。ここからは番外編、『オレのサントラ「グリーンフィンがガーズ」』と題した、同映画の世界観を踏襲したセレクト。今回は“ジャズで踊る”に火をつけたロンドンのレーベル「ACID JAZZ」から、あえてフォーキーな選曲です。ぜひ、お聴きください。

PROFILE
樅山敦
福島県いわき市出身。1989年からヘア&メイクアップアーティストとしての活動をスタート。2007年代官山にオープンした理髪店「BARBER BOYS」オーナー兼プレイヤー。2016年男性整髪料ブランド「CHET」のディレクター。2021年Panasonic バリカンのヘアスタイル監修も務める。
https://panasonic.jp/mens/products/hair/hairstyle.html
HP : barberboys.jp
Instagram:@barberboysdaikanyama
HP:chet55.com