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代官山BARBER BOYSオーナー兼プレイヤーの樅山敦による連載企画

BARBER BOYSのオーナーでヘアメイクもされる樅山さんによる連載企画、「映画とデニム」。映画やファッションにも造詣が深く、デニムの魅力が存分に味わえる映画をコラムと共に紹介します。

THE DEVIL’S TOY/クロード・ジュトラ監督作品/1966年公開

コートのポケットに手突っ込んだままクールに滑ってる

たった15分のショート・ムービーって映画なのか?って話だけど、これが興味深い。1966年のスケートって少年たちの遊びだったんだね。今じゃオリンピック競技だから、そうだなぁ〜何もかも全く違うところが新鮮に感じるね。YouTubeにおちてるから、強炭酸水でも飲みながら観てよ、絶対くぎ付けになるから。まぁ〜とにかくファッションが良くて、ニットポロやロピーセーターにデニム、ヘアはナチュラル・フェードとか七三パート・スタイルをグリースでなで付け、まさにシティ・ボーイ・スケーターだよ。ロン毛ってのがスケーターのイメージなんだけど、短髪ってのも新鮮なんだよね〜。この映画に影響を受けて「CHET」でTONYってグリースを作っちゃった!ほんのりトロミな質感と紅茶の香りで上品なヤツ、有りそうで無かったヤツねって、あっゴメン、戻します。特に印象に残った、裏地が無いひざ上丈のステンカラーコートにデニム。映像から判断出来ないけど、そ〜だなぁ、今だったらリーバイス502でアンクル丈がバランスどんピシャかもね。1984年THE STYLE COUNCIL「Cafe Bleu」のポール・ウェラーみたいに普遍的おしゃれ。へへへっ。しかも足元はクラークスみたいな靴を履いて、コートのポケットに手突っ込んだままクールに滑ってんの、自由なんだよね〜。今は乗り方やファッションが何となく決まっちゃってるから、この映画を観て原点に返った方が楽しいと思うよ。ってオレ、偉そうに言ってるけど、やったことないのよ。中学のとき、クラスのヤツがボードを持ってきて、坂道でカッコ付けてやってたんだけど、そいつ調子にのってボードの上で逆立ちをはじめて、案の定コケて首に大怪我!1980年福島県いわき市常磐地区、そいつのせいで「スケート禁止条例」が出たからね!ペインター、サーファー、ストリートギャングまでもスケートでつながってた、カリフォルニアで大盛り上がりのユース・カルチャー「ドッグタウン 」の逆いっちゃった…、盛り下がっちゃった…、トホホ…。禁止しなけりゃねぇ、すごいスケーターが出てたかもしんないよ、オリンピックでメダル取ってたかもしんないっつーの、んっ?それは無いね。映画に戻します、見た目がシティ・ボーイなのに、スケート反対派の警官や裕福なおばちゃんをおちょくる姿はワルなのよ。オレンジジュースなのか?コーヒー牛乳なのか?飲んでた瓶を投げつけちゃうからねぇー、ヤツら。演技なのか?ドキュメンタリーなのか?分からないけど、どの時代にも反抗するヤツっている!んーっ、そうそう。そいつらのファッションっていま観てもダサくないっつーの!ねぇ?

番外編 〜Spotify〜オレのサントラ「THE DEVIL’S TOY

映画のみならず、音楽にも詳しい樅山さん。ここからは番外編、『オレのサントラ「THE DEVIL’S TOY」』と題した、同映画の世界観を踏襲したセレクト。今回は1992年ジェームス・ラヴェルによって設立されたイギリスのレーベル「Mo’ Wax」。90’s Medium Mellow Tuneな選曲をしました。ぜひ、お聴きください。

PROFILE
樅山敦
福島県いわき市出身。1989年からヘア&メイクアップアーティストとしての活動をスタート。2007年代官山にオープンした理髪店「BARBER BOYS」オーナー兼プレイヤー。2016年男性整髪料ブランド「CHET」のディレクター。2021年Panasonic バリカンのヘアスタイル監修も務める。
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