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ジーンズにボタンフライとジッパーがあるように クルマもガソリンと電気の選択肢があってもいい

今なお輝きが色褪せない昭和の名車たち。現代のクルマとは一線を画すスタイリングは、もはや工業製品ではなく工芸品と呼ぶに相応しい魅力を放っています。環境問題が謳われる今日において、それらを現代のテクノロジーで甦らせる画期的なプロジェクトを主宰するのが、オズコーポレーションのEV事業に特化した「OZ Motors」。代表を務める古川氏に、レトロなヴィンテージカーを電気自動車にコンバートした “コンバージョンEV” への想いを取材しました。

古川:キャリアのスタートは某自動車ディーラーに勤めていた20代前半です。当時は、僕らみたいな若者がクルマにお金をつぎ込む時代でしたから、クルマ好きが高じてDIYで改造などの知見を積んで、20代で独立・起業しました。当初は中古車販売なども手掛け、その傍ら量販店では扱わないようなアフターパーツ(エアロ、マフラーなど)の企画、輸入、販売を行っていました。そこから車業界をもっと知りたくなり、グレーゾーンも少なくないアフターマーケットの業界で社会貢献ができる、違法ではなく合法的にパーツの提供ができることを考えたのです。そこが業界内で認められ、オフィシャルで参入することができました。その後は徐々に販売店特別仕様車などのドレスアップパーツの部門を確立していった感じです。盗難防止装置なども、それにあたります。そして現在の活動にも繋がるのですが、EVコンバートも合法改造車ですから、僕はとにかく合法的に面白くてカッコ良いアフターパーツにこだわりました。

—なぜ、エレクトリックカー(電気自動車)だったのでしょうか?

古川:電車と汽車の違いがあるように、そもそもクルマにも電気の選択肢がないのがおかしいと思いませんか?ガソリン車はガソリンでしか走らないけど、有事のときに役立つのは電気自動車だったという前例もあります。だけど、僕はガソリン車も水素カーも否定しているわけではなく、ただ純粋に電気という選択肢がクルマの世界にあってもいいんじゃない、何故無かったの?といった気持ちです。そして電気自動車のメリットの一つとして、エネルギーを選べること。太陽光発電や風力発電など、多様性がある。そして合法化という意味で、きちんとナンバーを取得した改造車を作りたかった。そこで、ホンダのシティをベースに開発したのが、OZ Motors初のコンバートEV車です。第一号車ですから、リチウムイオンバッテリーの知見もないし、そもそも手に入りにくい時代です。今とは違って鉛バッテリーを積んでいましたから、現代のEV車と比べると性能は低いんです。それでも当時の心境は、クルマとしてはうまく仕上がったなというのが正直な気持ちです。評判も良く、メーカーの方も試乗しに足を運んでいただいたりと話題にもなりました。ただ、事業として考えると課題は山積みでしたね。当時は電気自動車が普及する以前の時代ですから、コストも性能も大きな改善が必要。リチウムイオンバッテリーでも扱い方を知らないと危険な電池で、実際に燃えたクルマを何台も知っています。

—EVコンバートは簡単にできるものですか?

古川:皆さんが想像されている以上に、ものすごく大変です。ラジコン感覚でモーターとバッテリーがあれば動くと思われがちですが、非常に奥が深い。コスト面においても年々、パーツコストが上がっていることや高性能化、カスタマーの要求が高くなっていることから、実際にお客様に納車するためには、それなりの金額になります。その1台のために開発からスタートするため、今の段階では広く一般的に普及するレベルには至ってないので、まだまだ趣味の世界に近いかもしれません。ちなみにワンオフのコンバートEVは今、ストップしていて、安全面などの改良や研究が必要なタイミングということもあり、来年以降は少数生産して、より優れた1台を提供できるような体制を目指しています。その代わりに業者向けですが、エントリーモデルの量産キットの開発に着手しています。広く一般的にコンバートEV車が普及していくことが楽しみですね。

—これまでベース車両にしたもので、特に思い入れのある一台は?

古川:ダットサン・フェアレディですね。あと、ずっと手をつけられずにストックしたままですが、ワーゲンのタイプ2バスとベンツ190Eをコンバートしたくて仕方がないのですが、お客さんの注文を優先しているばかりに、野放し状態です(笑)。

—ベース車両に向き不向きってあるのですか?

古川:相性という部分では、ビートル(フォルクスワーゲン)が世界で一番コンバートされていることで証明しているように、あのリアエンジンの構造が向いていますね。よくできていますよ。70年間作られ続けていたクルマであることも納得です。

 

INFOMATION
OZ Motors

1994年に古川治氏が創立したカー・エンジニアリング・カンパニー「オズコーポレーション」は、先進的なエレクトロニクスと長年培ったアフターマーケットでの経験を生かし、これからの未来に求められるイノベーショナルなモビリティソリューションを提案しています。中でもEV事業に特化した「OZ Motors」では、レトロなヴィンテージカーを電気自動車にコンバートしたコンバージョンEVを日本国内でいち早く開発したリーディングカンパニーです。環境に配慮したエコなモビリティだけではなく、EVならではなライフスタイルがおくれるよう様々な視点からサポートしています。

HP:www.o-z.co.jp

Instagram:@ozmotorscom

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