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樅山敦による連載企画

BARBER BOYSの樅山さんによる連載企画、「映画とデニム」。映画やファッションにも造詣が深く、デニムの魅力が存分に味わえる映画をコラムと共に紹介します。

FISHING WITH JOHN/ジョン・ルーリー監督作品/1991年公開

画家で俳優、元々はニューヨークのバンド「ラウンジ・リザーズ」サックス奏者のジョン・ルーリー。映画「パリ・テキサス」では風俗店の用心棒役が最高にハマってた。そんな彼が友人を連れて、ただひたすら釣りをする、史上最強にゆる〜い映画。デニス・ホッパー、マット・ディロン、トム・ウェイツ、ジム・ジャームッシュ、ウィレム・ディフォーがゲストで釣りをするオムニバス作品。クセ強いよね、このメンバー。例えば日本だったら、そ〜ねぇ〜安藤忠雄、蛭子能収、井上陽水、吉田類ってところかな〜(笑)
今回ボクが注目したのは、ジム・ジャームッシュ。80年代オシャレ映画の監督で、代表作「ダウン・バイ・ロー」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の主演がジョン・ルーリー。このお二人、長〜い付き合いなんだけど、ニューヨーク・ロングアイランドの先端、モントーク岬にサメ釣りに行くのよ、ただそれだけ…それだけにカメラがず〜っと回ってるの(笑)
ジョンはもちろん釣好きファッションなんだけど、ジムは釣りをやったことないから、ベースボール・キャップにハリントン・ジャケット、デニム、そしてサングラス。普段通りのオール・ブラックで只者じゃない感出しちゃってるのよ、カッコイイけど…、ただこれじゃね〜、サメ釣ったら生地が水を弾かないからビショビショになるし、船の上は寒いし、洋服に生臭さがこびり付くと想うよ。ボク、観てて気になっちゃって、気になっちゃって。でもなぁ〜、こういう人って、キャラクターが固まってるから変えられないんだね〜。
遠景にジャズ、近景にパンク、身体にロック、心にブルース、なのよ、こういう人は。ジムはニール・ヤングのドキュメンタリー映画も撮ってるし、ドクロのシルバー・リングは常に装着。グリースをつけないリーゼントもずっとそう。ワックスでいいから、ほんのちょっとでいいから、つけろよー!
インディゴと比べて、ブラック・デニムはシック。都会のビルヂングやアスファルトのグレー色には溶け込まず、輪郭がクッキリ出るよね。ブラック一辺倒で20年以上穿き続ければ、ブレないクールな男像が出来上がると想うよ。ヘアはリーゼントかマッシュかロン毛。オイルでいいから、ベトベトしないから、つけろよー。
(MUSIC CLICK)
ボクは想うんですよ。「孤独のグルメ」エンディング曲はこの映画の主題歌からヒントを得て作ったと。だって、歌詞の名前リピートがコンセプトかぶってるし、ユルさもね〜?久住先生。

 

 

 

PROFILE
樅山敦

福島県いわき市出身。1989年からヘア&メイクアップアーティストとしての活動をスタート。2007年代官山にオープンした理髪店「BARBER BOYS」オーナー兼プレイヤー。2016年男性整髪料ブランド「CHET」のディレクター。2021年Panasonic バリカンのヘアスタイル監修も務める。

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