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樅山敦による連載企画、「映画とデニム」

BARBER BOYSの樅山さんによる連載企画、「映画とデニム」。映画やファッションにも造詣が深く、デニムの魅力が存分に味わえる映画をコラムと共に紹介します。

フェイブルマンズ/スピルバーグ監督作品/2022年公開

ボクは散髪屋の主であり、プレイヤーでもある。店内のBGMも自分で選曲するし、ヘアスプレーやシェービングトニック、白髪染めだって自分で仕入れる。常にアンテナを張り、自分の価値観で見つけては買って私生活で使い続けてみる。良かったら従業員に相談しOKが出れば、お客さんに使い、あとは委ねるのみだが…全くもってうまくはいかない。

判断基準は「アメリカン50’S、60’S」。デザインや時代の象徴たちが、昭和生まれのセンチなハートに突き刺さりっぱなし。とは言う物の、1950〜60年代が青春時代ではなく、幼少時代に観た再放送のアニメ「ポパイ」「トムとジェリー」やドラマ「奥さまは魔女」「チャーリーズ・エンジェル」「0011ナポレオン・ソロ」などが今でもボクのモノサシなのだ。

映画は50年代が舞台の「アメリカン・グラフィティ」「クライ・ベイビー」など。最近だと「女と男の観覧車」そして今回の「フェイブルマンズ」 は脆弱なボクのハートに揺さぶりを掛けてくれた。

スピルバーグの自伝映画なのだが、お母さんのデニム姿が印象的だった。股上が深く、お尻全体をデニムが優しく包み込み、丸いラインを作っている。ウエストはトップを絞り、ヒップから太ももはゆったりしている。裾はロール・アップして足元に重みを置くことで、ウエストの細さがより強調され、おしゃれ感が増す。これはLevi’s 701を愛したマリリン・モンロー のデニム・スタイルと一緒、1938年に作られた「Lady Levi’s」なのだ。

父はIBMの科学者、母はプロのピアニスト 、その両方を足したのがスピルバーグ。彼の登場前後のハリウッド映画は全く変わった。映画「ジェラシックパーク」なんて科学の結晶だよね。個人的には71年の映画「激突」はショッキングだった。同年のドラマ「刑事コロンボ / 構想の死角」も他の監督作品とは全く違った映像の迫力に圧倒され、何度も観ている。

今月、なに読みましたか?

今日もまた、日が落ちる。しくじった日も腹が立った日も、家でビールを飲みながら、こんなにも素晴らしい本を眺めていると、一区切り付く。作者でありコレクターの井出さん。こういう方が東京に居てくれて本当に良かった。

お酒、なに呑んでますか?

港の見えるあの居酒屋、こぼれるJazz Melody。夜海に映り込む、紫色のMidnight Moon。たまには、こんなシチュエーションで一区切りつけたくなる。鯛の昆布締めを当てに「鍋島」で一杯。そんな殿様献上系日本酒。

ボクのサントラ「BARBER BOYS hawaiian classics」を聴いてみませんか?

ハワイもアメリカ、「ハワイアン 50’S、60’S」は常磐ハワイアンセンターの近所で生まれ育ち、バイトもして、ドップリつかったボクにとってソウル・フードならぬソウル・ミュージック。床屋でもかけてます。是非!

 

 

樅山敦
福島県いわき市出身。1989年からヘア&メイクアップアーティストとしての活動をスタート。2007年代官山にオープンした理髪店「BARBER BOYS」オーナー兼プレイヤー。2016年男性整髪料ブランド「CHET」のディレクター。2021年Panasonic バリカンのヘアスタイル監修も務める。
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